シドビシャス生存説というのがやっぱりあって、なんでも満州に渡って馬賊の頭領として日本軍相手に暴れ回っているっつうじゃないの。オマエさっそく裏取ってこい！記事になるまで帰ってくんなよ！そうデスクに命じられた毎朝新聞記者の渡辺電機(株)さんは、仕方なく成田を発ち、中国は長春市を訪れた。現在の長春は当たり前だが、馬賊どころかアホみたいに高層ビルが建ち並ぶ超未来な大都市で、元シド・ヴィシャスの王陳矛さん(62)は、多数のIT企業が入ったオフィスビルの清掃夫として、尊い汗を流していた。カラオケで懐かしの持ち歌「マイウェイ」を歌っては涙を流し、ジョニーはいい奴だった、今からでもイギリスに帰りたいと漏らす王さん。今では四人の孫に囲まれて暮らす王さんの平和な暮らしを壊してまで記事にはしない分別が、渡辺電機(株)さんの弱さであり、人柄でもあった。また、デスクのカミナリか…。参ったねと頭をかきながら成田に戻った渡辺電機(株)さんを、全裸で日本刀を持ち憤怒の形相の横綱が、仁王立ちで待ち受けていた。
キチガイにこんな顔でずっと睨まれながら平然とスピーチと唄をこなす方もまた、キチガイなのだ。ハリセンボンの人は「エルトンジョンじゃねーよ！」というネタもやっているのでしょうか。
