夏真っ盛り！こたつに潜って酒粕の焼いたのをハフハフ食いながら紅白を見ていたら、ドアを蹴破って、バンダナを巻きホットパンツ姿のロッド・スチュワートが上がり込んできた。アンタおれをセクシーと思うかい？うるせえ帰れよと言っても聞こえないのか、こたつの上に立ち上がってホットパンツのケツをふりふり、アイム・セクシーを歌い始める。ダンスフロア1980と化したおれの部屋で、ナウなヤングが求愛のダンスを踊り狂う。スタジャンにパンチパーマ、スニーカーの若者が、聖子ちゃんカットの女子大生に肘鉄を食らってらァ！おれもすっかり嬉しくなり、こたつのお立ち台に乗って踊りだす。曲が終わるともちろん幻影も全て消え、極寒の独房でふるちんで踊り狂った代償は大きく、翌朝から高熱を発して倒れ、二度と元気な顔を見せることは無かったという。
1972年。時代の10年先を行くオーケストラ・ヒットがかっこいい、超モダンな名曲。
