こうなったらテメーも道連れじゃいっ!そう叫んでベニテングダケの束にかぶりつき、もぐもぐ咀嚼しながら、口移ししようと追いかけてくる横綱から、泣きじゃくりながら逃げ惑う渡辺電機(株)さん。ついに稽古場の隅に追い詰められ、じりじり迫ってくる横綱を見上げながら、はしたない音を立てて失禁し始めた。渡辺電機(株)さんの両肩を掴んで、しばらくもぐもぐと咀嚼していた横綱はやがて怪訝な顔になり、これ全然毒ねえな。うまいっすよ。そう言って、飲み込んでしまった。マジすか。渡辺電機(株)さんや他の力士も、おそるおそるベニテングダケに手を伸ばす。なんともねえな。うめえ。これ、ベニテングダケじゃなかったんすね。案外ワライタケだったりして、アハハ。ワッハッハ。ホーッホッホッホ。キュワッキュワッキュワ。クエーッケッケッケッ。エゲッ、エゲッ。結局翌朝には、全員死んでしまった。