妖怪歳時記
ジャラジャラ、小豆を研ごうか、人を獲って喰おうか…。北海道は白老町、ボンアヨロ川の河原でアズキを洗っていた渡辺電機(株)さんだが、ヒグマの親子がばしゃばしゃ水しぶきを上げて向こう岸から近づいてきたので、半狂乱で泣きわめきながら、四つん這いで逃げ出した。さいわい、クマの目当ては小豆で、渡辺電機(株)さんを追ってくることは無かったが、不用心に野外でおばけの真似事などするから、こんな怖い思いをすることになる。やっぱり北海道の自然、ナメちゃいけないね!そう言って美味そうにレモンサワーを飲み干す渡辺電機(株)さんだったが、カウンターの中の大将がウフフフッとくぐもった笑い声を上げたかと思うと、明かりが消えた。居酒屋のカウンターと思われたそこは、先程の河原だった。夜の闇にせせらぎの音だけが響き、口の中には動物の尿の味が広がった。
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