渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

君は最高さ

ボーイ・ジョージと音楽性の違いで衝突してバンドを脱退して以降の渡辺電機(株)さんの人生は、波瀾の連続であった。元カルチャークラブの肩書が何の役にも立たないことにすぐ気づいた渡辺さんはアッサリ音楽業界から足を洗い、日本の神田神保町の三省堂並びに、日本文学専門の古書店「渡辺書林」を開いた。もとより収集していた貴重な文献の数々に加え、豊かな知識と柔らかな人柄で、商売はたちまち軌道に乗った。その年の暮に神保町一丁目の全ての土地を買収して、高さ600mの漆黒の巨大な塔を建立、渡辺電機(株)帝国と名付け、その最上階に居を構えた。塔から発する電波により、東京都内の人々は一人残らず発狂して、その場で動物のように際限なく交尾を繰り返し、衰弱して死んだ。そんなある日。荒廃した東京に黒く聳え立ち電波を放ち続ける巨塔に、懐かしい来客があった・ボーイ・ジョージその人である。彼もまた苦労を重ね、人間的に深みと優しさを兼ね備えた紳士に成長していた。もう一度いっしょにやろうよ、電機さん。手を差し伸べるボーイに、返答は無かった。玉座に座った渡辺電機(株)さんは自らの発した電波に脳を侵され、全身透明のゼリー状の物体になり、電波の周波数に合わせて、ぷるぷると震え続けていた。

Musak (Original Mix)

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Tryouts For The Human Race

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