Macを持ってスターバックスに行ったら、窓際の席はぜんぶ埋まっていた。ただ、その中に読書をしているマナーの悪い女性がいたので、すみませんMacを使うので席を代わってくださいと言ったら、ハァ？とキレ気味に返され、以後はこわばった表情でガン無視しやがった。だが、ページに落とした視線は微動だにせず一点を見つめていたので、本に集中していないことは明らか。奮然とカウンターへ行き、スタッフにこの女性を排除するよう強く求めた。電機さん、あんた変わんないね。ぶしつけな店員の言葉に、キミぃ！と、思わず語気を荒げて睨みつけ、びっくりした。横綱、なんでここに。いろいろと物入りでね、相撲の収入だけじゃ…ま、いいじゃないの。一杯飲んで、落ち着きなよ。目の前に置かれたキャラメルマキアートに描かれた、下手くそなおれの自画像に、思わずぷっと吹き出してしまった。わかったわかった。もう騒がねえよ。じゃましたな…。おれここ４時に上がるからさ、どっかメシ行こうよ。了解。じゃあ、そん時。飲み物と同様、温かな横綱の気遣いがうれしかった。友情、か…。年が明ければ、また初場所が始まる。久々に懸賞金を出してみるかなどと考えながら、表参道の落ち葉を踏みしめ、歩いた。
