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渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

カメレオン

ガヤの手数の多さがさんまさんに認められて、バラエティの常連として茶の間を賑わせてきたおれだが、楽屋でウロコを剥がしている所を、挨拶に来た若手に見られてしまい、すべては終わった。爬虫人類のスパイとして監獄に入れられたおれは、裁判を待たず直ちに処刑されることが明白だったが、こんなおれに面会に来てくれたのが誰あろう、明石家さんまさんだった。すいません、番組穴開けて。ええがなええがな、お前のおかげでほんま助かってたんやで。できれば逃してやりたいけど、さすがのオレにもそこまでの力は無いわ。すまんな…。そう呟いて、静かに首を振って目を閉じたさんまさんの頭を、おれは丸ごとパクリと頬張った。じたばたともがく身体を押さえつけ、ぐいぐいと飲み込んでいき、ポンと靴が脱げる音とともに、全身がおれの胃の中に収まった。コロンと転がった高級そうな靴に履き替え、ハンガーに掛かっていたバーバリのコートを羽織ると、おれの姿はどこから見ても、さんまさんそのものだった。おれは看守に軽く会釈して、堂々と監獄の外へ出た。これから、明石家さんまとしての忙しい日々が待っている。

Concerto Grosso n. 1

Concerto Grosso n. 1