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渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

南海の大決闘

猫ひろしが4年越しの血の滲むような努力を実らせ、カンボジヤで陸上代表の座を勝ち取ったその頃、カリブ海の小国コスタチンポでも、渡辺電機(株)さんが男子100m代表の座を賭けて、島一番の早足自慢ドン・ガルシアとの一騎打ちに臨んでいた。誰もいない競技場(普段はヤギの放牧場)に響く号砲。100m先の浜辺に立つ椰子の木めざし、よたよたと走りだすガルシアと渡辺電機(株)さん。島の子供たちが次々追い抜いて行きながら、二人を囃し立て、ココナツやバナナをぶつける。渡辺電機(株)さんはカンカンに怒って子どもたちを追いかけ始め、ガルシアはその場に座り込んでココナツやバナナにかぶりついた。一ヶ月後。すっかり島の子供たちと打ち解けて仲間になり、真っ黒に日焼けした渡辺電機(株)さんがヤギの放牧場を訪れると、腹を壊して死んだガルシアが白骨化してそのまま打ち捨てられ、五輪委員会だった掘っ立て小屋の机の上には、五輪代表証明書が未記名のまま、雨風に晒され打ち捨てられていた。そのような経緯で出場したリオ五輪で、渡辺電機(株)さんが男子100mの世界記録を更新して金メダルを獲得するのだから、人生あきらめないことが肝要である。