「てめェ義務教育受けてんのか？」おれが夜食に食おうと冷蔵庫にしまってあった水ようかんを、床にべったり座り込んで手づかみでムシャムシャ食っていた安倍総理に、思わずキツイ言葉を投げかけてから、シマッタと思ったが後の祭りだ。表向きの経歴とは大きく異なり、実際は大学や高校はおろか小学校さえまともに通っていなかった総理は、そのことをとても気に病んでいた。涙ぐみ、べとべとになった手を高級そうなスーツでごしごしと拭くと、総理は「おら、またやっちまったな」と呟いた。「たしかにおら、学もねえし育ちもわりぃ。むつかしいこたあなんもわかんね。でもな…でもな、おめえらインテリがウソついておらを騙そうとすんの、おらわかってっからな！！おら…おら、騙されねえぞ！おら曲がったことはでぇっきれえだ！」こうなったらもう、逃げるしか無い。大八車に寝具と画材を積んで川沿いをひた走るおれの背後で、東京の街が炎上し、赤く染まった夜空に総理の咆哮が轟いた。
