渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

かたやきそばみたいやな

ものごとを批判する際に、単に強調する程度の軽い気持ちで「どう考えても」と書いてしまいがちだが、「どう考えても」それしか思いつかないというのは、言い換えれば「おではばかなので」と白状しているようなものである。言い方は違うがロケンローな人たちの「オイラにゃむつかしいこたぁわかんねえけどサ」とワイルドな純朴さをアピールしつつ手短かに自分の意見を押し通す方法もあり、これも「わからぬなら黙っておれ」と言われたら、もう暴れるしかないのである。と、ここまで書いたところで我に返ると、数学の高山先生が脇に立っていて、無表情でおれのノートを奪い取った。殴られることを覚悟してメガネを外したおれに、先生は静かにノートを返し「これが高校生活3ヶ月間の成果か?」と訊いた。1年の最初の中間テスト、数学は百点満点の3点だった。ちょっと数分間話を聞き逃しただけで、三角関数は一生理解できないまま終わったのである。