北新地で85年日本一の頃の阪神ナインの同窓会。掛布岡田バース真弓佐野平田木戸ゲイル池田中西山本和ら主力選手はほとんど欠席もしくは音信不通、出席したのはおれと川藤と油すましの３名のみとなった。31年も経つと、こんなものか…。しかし、油すましはさておき、川藤なんて選手にいたか？やはり怪訝な顔をしている油すましと何度も顔を見合わせ、わざとらしく昔話をして涙ぐむ川藤の白々しい演技に、ますます疑惑は深まった。「おいあんた」耐え切れず川藤の肩を小突き、問い詰めた。「あんた誰なんだ？」川藤は一瞬固まった後、けけけけと甲高い奇声を発すると、眼球をぐるんと裏返して白目をむき、口から今まで飲んだ酒を滝のように逆流させ始めた。ほぼ水没した店内からかろうじて脱出したおれは、後も振り返らず走って逃げた。油すましがどうなったか、知りたいとも思わない。
バロウズおじいちゃん、けっこう出たがりだったのでしょうか（´ω｀）
