渡辺電機(株)

マンガ家・渡辺電機(株)さんの公式ブログです

美畜の罠

「どうしても電機さんに見てもらいたい馬がいるんです」と、日高の沢尻牧場のオーナー自ら電話で誘われては、断るわけにもいかない。午前中の仕事を片付けて、大急ぎで羽田に向かい、午後3時に千歳の空港でオーナーの車に拾ってもらい、日高へ。牧場に着いて、日の入りも近いので、まずはさっそく馬房へ。そこに繋がれていたのは、全裸で馬具を着けられ、口も聞けず涙を流しながら必死におれに近づこうともがく、筒井康隆先生だった。「筒井先生!」「電機さん、そいつはもう馬なんだよ」振り返って見たオーナーの顔に西日が差し、その表情は分からなかった。「おれが買わないと、どうなるんすか?」奥様のお手製ジンギスカンに舌鼓を打ちつつ、オーナーに尋ねた。「決まってるさ、肉だよ。電機さん、あんたが買って競走馬に育てるか、肉か」そして唐突に下品な笑みを浮かべ、「まぁ、あんたの趣味ひとつで別の使い道もあるけどね」筒井先生の肉付きの良い下半身を想い出し、おれの中で新たな感情が芽生えた…。


フランス。プロデュースはNo1 in Heaven期のスパークス。なのでピコピコしてるのかと思ったら、むしろそうなる前のスパークスっぽい。同時期にゲインズブールと共演、映画の主題歌を一曲任されている。