道端ガルガンチュア
身体中にチューブを挿し込まれて身動きもできず声も出ず、人の声も遠くで聞こえるようで現実と夢の境も曖昧になり、ああ死ぬときってこんなもんなんだと思った次の瞬間、ペットショップボーイズのライブ会場の最前列に放り込まれていた。アッパーなデジタルビートが鳴り響く中、隣の人にこれいつまで続くんすかと尋ねると、頭に矢の刺さった落ち武者風のその人は、なんかずっとやってるみたいすよと笑った。数十億人はいるであろう人垣をかきわけ後方に出ると、明治天皇が物販の列に並んでTシャツと缶ペンケースを買っていた。陛下にそれ限定すかと尋ねると静かに頷いたので、おれも列に並んだ。
このジジイがこの声で歌うの、卑怯なのでは(´ω`)