渡辺電機(株)

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オカマにおかまいなく


■Spetters (1980) Paul Verhoeven
オランダ語の英語字幕版。
バーホーベン監督のオランダ時代後期、ポコチン大乱舞の怪作。
いろんな形のチンポを見過ぎてウンザリしましたが、それ以上に相変わらず心のカサブタをひっぺがすような露悪的な物語から目が離せません。モトキチ(死語)の若造3人組がチンポの長さを比べっこしたり女を競い合ったりと恋にバイクに80's青春模様を満喫〜、と思ってヘラヘラ見ていたら当然そんな甘い物ではなく、彼らはドブスな悪女との出会いをキッカケに、人生の甘い辛いをこれでもかとジェットコースターで味わわされる。最も輝いていたエース君は全てが暗転して失意の底に、ポーキーズでのデブに相当するダメ男くんは「残り物に福」的な幸せを手に、頑迷で信心深い父親に反抗してカツアゲとバイクに明け暮れて田舎脱出を目論んでいた主人公は思わぬ覚醒によって家族とともに暮らす決心と、3人はそれぞれの道を歩み始める。悪趣味のコーティングの下にあるのは、実にベーシックな青春と巣立ちの物語。つづれ織りのように入り組んだ暗示と伏線と因果の数々にも感心した。
まあそれにしてもケバケバしい。こんなもん作ってて、よくハリウッドから声がかかったものだと他人事ながら心配になってしまいました。男同士のフェラシーン(モロ)なんて13年前に見た裏ホモビデオ以来だよ…。
まぁ、日本盤なんか出るワケないわな。
しかしYouTube、もうちょいマシな動画はねえのか。